アサヒビールのアサヒグループHD、西濃運輸、NEXT Logistics(NLJ)、ヤマト運輸、トヨタ自動車、日野自動車は燃料電池大型トラック(FC大型トラック)の走行実証を実施することで合意したと発表した。
これは、国内商用車全体のCO2排出量の約7割を占める大型トラック領域におけるCO2排出削減を目指した実証実験。FC大型トラックはトヨタと日野が共同で開発し、アサヒグループ・NLJ、西濃運輸、ヤマト運輸、トヨタの5社が、2022年春頃から各社の物流業務で新型FC大型トラックを使用して走行実証を開始する予定だという。
幹線輸送に使われる大型トラックは、十分な航続距離と積載量、短時間での燃料供給が求められる。その電動化において協働する各社は、エネルギー密度の高い水素を燃料とする燃料電池システムが有効であると考えており、今回開発するFC大型トラックは、航続距離の目標を約600kmとし、環境性能と商用車としての実用性を高次元で両立させることを目指す。
走行実証に参加する各社は、地球環境問題を重要な経営課題のひとつとして位置付け、製造工程の省エネルギー化や物流業務での環境負荷の低減など、さまざまな活動を進めている。今後は、FC大型トラックの早期実用化に向けた取り組みを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えているとしている。
使用するFC大型車のベース車両は「日野プロフィア」FR1AWHG、サイズは全長×全幅×全高11990×2490×3780mm、総重量25t、航続距離目標600kmだ。
また、トヨタ自動車の北米事業体であるToyota Motor North America, Inc.(TMNA)と、日野自動車の米国における販売子会社の日野モータース セールスU.S.A.(米国日野販売)、生産子会社の日野モータース マニュファクチュアリングU.S.A(米国日野製造)が、大型電動トラックへの関心の高まりを受け、北米向けに、燃料電池で走行する大型トラックの開発に共同で取り組むと発表したばかりだ。
トヨタを中心とした大規模企業体の環境対応、なかでも水素応用社会への取り組み強化がスピードアップしてきた。(編集担当:吉田恒)