「子どもをつくらない専業主婦、脱税と同じ犯罪行為」とする人物を菅内閣は成長戦略会議のメンバー(有識者委員)にしていることが5日の参院予算委員会での立憲民主党・蓮舫参院議員の指摘で分かった。
問題の委員はデービット・アトキンソン氏。蓮舫氏によると、アトキンソン氏は著書の中で「国家として優遇するべきは、子どもを産むことであって、結婚すること、そのものではない」「夫婦共働きで子どもがいなけれれば、課税負担を増やすべきなのが正しい理屈」「子どもをつくらず、家で火事だけやっているというのは、国家としてのメリットはまったくないのに、国がつくったインフラや社会制度にただ乗りするのと同じ行為」「ある意味、脱税と同じ犯罪行為です」などと記述していたとしている。
子どもに恵まれなかった夫婦や専業主婦を貶めるものと言わざるを得ない。蓮舫氏は「デービット・アトキンソン氏の記述は女性の生産性を上げるという記述だ」とし、メンバーに不適切として菅義偉総理に見直すよう求めた。
西村康稔経済再生担当大臣はアトキンソン氏を「見識があり、中小企業政策などでさまざま提言を出されている。活発な議論を期待してのものだ」などとして適任者と答弁した。
菅総理は「アトキンス氏に限らず、様々な方から話を伺って政策の参考にしているところであり、成長戦略について西村大臣の言われた通りの考え方だ。著書の内容については詳細を承知していないので、コメントは控えたい」とした。また「アトキンス氏を有識者のひとりとしてお願いした」と答えるにとどまった。
ネット上では「子どものいない夫婦は優遇されるべきではないというデービット・アトキンソン氏の著書の文言に腹立たしく、悲しくなる。この方が菅総理のブレーン? 子どもが欲しくてもできない人の気持ちを考えたことがあるか。それに、子どもを産む、産まないは周りから強制されるべきではないと思いますが」との意見も。(編集担当:森高龍二)