マイナンバーカードを健康保険証と一体化させるのを機に「政府が健康保険証の将来的な発行停止を検討」とのTBS報道を受け、ネット上では強引なマイナンバーカード普及策だと反対や政府への不信感、安全性への懸念の声が相次いでいる。
そもそも、マイナンバーカードがなくても日常の暮らしに影響を感じない、必要ないと多くの国民が感じている。それを裏付けるように、政府は国家公務員や地方公務員に家族を含めてマイナンバーカードを作成するよう協力を求め、全国自治体の職員らは政策として受け止め、ほとんどがカード作成をしているとみられている。
しかし、その分を含めても国民全体への普及率は今年10月時点で「20.5%」に過ぎない。必要性が国民の側にあれば、マイナポイントなどしなくても、ほとんどが作成しているはず。
ネット上では「国はついに、マイナンバーカード普及のために、健康保険証を人質に取った。そもそもマイナンバーカードの取得は法律で義務づけられていないのだから、こういう卑怯な手は止めて欲しい。国民にも選択する権利を」との意見や「政府としての重要課題がこれなんだ。国民は一本化なんて望んでいないよ」「コロナや災害など本当に緊急性があるものを後回しにして何がなんでもマイナンバーカードですか?」
「政府は何が何でもマイナンバーカードを国民全員に義務付けたいんだろうね。運転免許証やら健康保険証やら、カードと一体化させて無理やりもたせようとしている。ますます信用できない」「身分証明書は独立しているから紛失した時も被害が最小限に食い止められるのに、何もかも1枚になっていたらどれだけ被害が出ると思うんだ?」「セキュリティが全く確保されていない現状でよくそんな議論が出来るな。順序が違う上に国民が直面している本当の問題と全く違う」と安全性への懸念や運用、政策優先順位などで政府への不信感が強い。
一方で「将来的にはこの取り組みから複数の医療機関を受診する際に重複した検査や投薬を防いだり、患者別に検査・薬剤のデータを一元的管理することにも発展させることができます。すでに地域によっては医療(治療上の諸データ)と介護(介護サービス利用のデータ)を医療機関・介護サービス事業所・施設で共有できるシステムを稼働させているケースもあり、それらと健康保険の情報を繋ぐという面でも有効な取り組みになるでしょう。今後、医療・介護のビッグデータを有効に活用するために欠かせないものと思われます」(高野龍昭東洋大ライフデザイン学部准教授)と肯定的な意見もあがっていた。(編集担当:森高龍二)