SM3ブロックⅡA実験成功に抑止力向上と防相

2020年11月23日 09:27

 岸信夫防衛大臣は日米共同開発での「SM-3ブロックⅡA」(弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイル)のICBM迎撃実験が米国で成功したことに20日の記者会見で「抑止力を高めることになる」と期待し、配備を着実に進めていくとした。政府は来年度以降で国内での配備を順次計画している。

 岸大臣は「日本時間の17日、米国がICBMを模擬した標的を東太平洋上のイージス艦から発射された迎撃ミサイルSM-3ブロックⅡAで迎撃する実験を行い、迎撃に成功したということだ。SM-3ブロックⅡAは12年にわたる日米共同開発を経て完成した『短距離から中距離の弾道ミサイルに対処し得るよう設計をされた迎撃ミサイル』だ」と説明。

 そのうえで「当初の設計目標を上回るようなICBMの迎撃能力を実証したことは日米の優れた技術を結集した成果であり、SM-3ブロックⅡAの高い信頼性・能力を実証したものと考えている。配備を着実に進めることによって、弾道ミサイルの脅威への対処に万全を期したい」と述べた。

 SM-3ブロックⅡAの配備について防衛省は来年度に計画。ⅠAに比べ迎撃可能高度、防護範囲、撃破能力が向上。迎撃回避手段をもつ弾道ミサイルや通常より高い軌道をとる「ロフテッド軌道」の弾道ミサイルにも迎撃能力が高い。(編集担当:森高龍二)