菅義偉総理は4日の記者会見でも日本学術会議の会員任命について「学術会議法にのっとって、学術会議に求められる役割も踏まえて、任命権者として適切な判断を行った」と主張。また「日本学術会議から推薦された候補を『必ず推薦されたとおりに任命しなければならないわけではない』ということについては内閣法制局の了解を経た政府としての一貫した考え方だ」と正当化した。
しかし、『必ず推薦されたとおりに任命しなければならないわけではない』との解釈は安倍政権下で2018年に行ったもので、一貫した考えは詭弁としか言えない。それまでの見解は人事への政治的介入を排するため、一貫して『任命は形式的なもの』との解釈ととり、これを守ってきた。
また菅総理は安保法制などに学術的立場から問題を指摘した学者ら6人を会員に任命しなかった理由について説明を記者団に求められ「会員の皆さんを任命しますと公務員になる。公務員と同様で、その理由についてはやはり人事に関することで、お答えを差し控えさせていただきたい」と任命拒否した理由を明かさなかった。
6人の任命に関して菅総理は「(任命に関する)一連の手続は終わっているので、新たに任命を行う場合には学術会議から推薦をいただく必要があると思う」として改めて手続きが必要とした。日本学術会議に求められる役割は学術的科学的立場から政府に提言するもので、政府方針に沿った政策後押しのための提言を行うことではない。菅総理がいう「学術会議に求められる役割も踏まえて」との視点からすれば任命拒否した理由とも沿わない。(編集担当:森高龍二)