75歳以上で一定収入のある高齢者が医療機関の窓口で支払う医療費自己負担を、現行の1割から「2割」に引き上げる案について、「年収200万円以上」(単身世帯)に落ち着くもよう。対象者は370万人程度となる見込み。参院選挙への影響を憂慮し、政府・与党は選挙終了後の2022年10月から実施する考えだ。
菅義偉総理と公明党の山口那津男代表が9日夜会談し、200万円以上でのラインで認識を共有した。政府や自民党は当初170万円以上で理解を求めたが、240万以上を求めた公明党に歩みよった格好。現行ではすでに現役なみ所得(年収383万円以上)の高齢者は3割負担している。
高齢者の医療費負担増に対してネット上では「自己負担増は国家の現状を考えると仕方ないと思いますが、議員も定数削減や待遇見直しなどないのでしょうか?」と一定理解をしながらも、引き上げるなら議員自ら身を切る見直しを行うよう求める声もある。
また「年金給付は下がり、介護保険料値上げ、高齢者医療費負担も増える。高齢者に厳しい時代になりました」「菅スローガンの『自助』とは、こういうことだったのですね。さっそく負担増になりました。『公助』、いっこうに姿が見えませんが、本当に表れるのでしょうか?」「年収200万?手取りいくらになると思っている。そんな低収入の中で1000円2000円の負担がどれだけ重いか誰も実感できていないのに簡単に決めるな。普通の生活すら無理がある金額だ。どんどん弱者切り捨てに走っているだけのこと」と批判的な声が目立つ。(編集担当:森高龍二)