一定収入の高齢者は医療費2割負担へ、来年法案

2020年12月16日 06:57

 全世代型社会保障検討会議は14日、75歳以上の後期高齢者で単身者の場合年収200万円以上、複数世帯で後期高齢者の年収合計が320万円以上ある場合、医療機関の窓口で支払う自己負担額を現行の1割から「2割」にひきあげることを決めた。22年後半の月の初めから実施の方針。現役並み所得のある高齢者はすでに3割負担になっている。

 2022年から団塊世代が75歳以上になり始めるため医療費が急増すると見込まれ、現役世代の「後期高齢者支援金」負担の増を抑制するためには一定収入の高齢者には負担増に理解をいただく必要があるとしている。

 菅義偉総理は会議で「少子高齢化が急速に進む中、現役世代の負担上昇を抑えながら、全世代が安心できる社会保障制度を構築し、次世代に引き継いでいくことは我々世代の責任だ」とし、引上げはやむなしの認識。そのうえで「急激な負担増にならないための経過措置を設ける」とした。
 
 具体的には引上げ実施後、3年間、1か月の負担増を最大でも3000円に収まるようなに措置をとるとしている。政府は必要な法案を来年の通常国会に提出する。(編集担当:森高龍二)