新型コロナの流行は様々な分野に影響を与えている。自治体の「ふるさと納税」のありかたもコロナ禍で大きく変化しているようだ。ポータルサイトを運営する株式会社さとふるが10月下旬、全国221自治体と677事業者を対象に「コロナ禍のふるさとの納税の変化」に関するアンケート調査を実施し、10日にその集計結果を公表している。
これによれば、「昨年と比較した寄付額の変化」を尋ねたところ、約半数の自治体が「昨年対比150%以上」と答えている。内訳は「昨年対比200%以上」が26.7%、「150~199%」20.8%、「120~149%」19.0%となっており、寄付額は昨年より大きく伸びたようだ。
ふるさと納税での新型コロナウイルスの影響については自治体に聞いた結果では、「あると思う」が38.5%、「ややあると思う」43.9%で、これらを合計すると82.4%が新型コロナの影響を感じている。影響を感じた内容については、「巣ごもりによる需要増加」が45.1%とプラスの影響が半数近くになっている。一方で、「体験型お礼品の需要減少(15.9%)」などマイナスに影響したもの存在する。
一方、ふるさと納税関係の事業者では「大きな影響が出ている」が39.4%、「どちらかといえば影響が出ている」40.6%となっているが、このうち66.9%、約7割が具体的な影響として「売上の減少」を挙げており、うち6割の事業者が「3割程度」以上の売上減少と回答している。
コロナ禍での新たな取り組みについて聞いた結果では、「すでに取り組んでいる」が35.3%、「予定している」8.1%で、4割以上の自治体が新たな取り組みをしているようだ。具体的な内容は「寄付の使い道に新型コロナ対策・医療従事者支援を追加」の28.1%が最多となり、その他「新たなお礼品の企画・追加」18.8%が多くなっている。
事業者についても、「すでに取り組んでいる」34.3%、「予定している」11.4%と半数近くが「取り組んでいる/予定」となっており、具体的な取り組みでは「EC・通販を強化」30.4%、「商品開発」10.7%などとなっている。
自治体のシティプロモーションやふるさと納税業務、事業者の事業展開における「オンライン対応」については、3割以上の自治体、4割以上の事業者が「課題を感じる」と答えている。具体的な課題としては、「ノウハウ・スキルの不足」、「設備・環境が未整備」などが挙げられている。
コロナ禍で対面での交流が難しいなか、寄付者との継続的なつながりを持つために様々な課題や不安を抱えているようだ。(編集担当:久保田雄城)