緊急事態宣言の扱いで厳しい選択迫られる菅総理

2021年01月28日 06:28

 政府内に2月末までの「緊急事態宣言」延長論が出ているとの報道にSNS上では高野龍昭東洋大学ライフデザイン学部准教授が「首都圏などでは医療体制の逼迫が続き、高齢者の介護施設などで感染者が発生した場合でも入院できずにそのまま施設に留め置かれるケースが珍しくないまま経過しています。こうしたことを軽減させるためには、市中での感染を減らして医療体制に余裕を持たせることを最優先すべき。保健所等が感染者の感染経路を追える体制に戻すことも必須。その意味で緊急事態宣言の延長を検討することは妥当と考えられます」と延長検討を評するコメントを発信。

 高野氏は「施設等に感染者を留め置かなくてもよい体制にならなければ、海外と比べて人口比・高齢者人口比で死亡者数が少ないというわが国のコロナ禍対策の特長も、早晩綻んでしまうことは間違いない」と警告している。

 一方、石川智久日本総合研究所のマクロ経済研究センター所長はSNSで「感染拡大防止も重要ですが、経済全体への悪影響も無視できない状況になっている。さらに経済の悪化が自殺率の増加、結婚や出生数の減少にまで繋がっています。こうしたコロナの副作用と言える部分は、コロナ後の日本経済に大きな影響を長期にわたってもたらすため、その影響が懸念されます。国民で知恵を出し合って、早期に緊急事態宣言を解除する方法を急いで考える必要があります」と再延長での経済、暮らしへの影響を懸念している。

 石川氏は「2月7日の解除でもGDPは2兆円程度下振れるとみていたが、2月末まで延長されれば、倒産などが増えるため、さらに数兆円程度減少すると予想される」と発信した。ただ、2月7日終了で、再び感染拡大した場合、東京五輪・パラリンピックどころか、政権そのものが持たなくなるだろうとの見方もでている。菅内閣は厳しい選択を迫られている。(編集担当:森高龍二)