関西電力と関西電力送配電が2日に梶山弘志経済産業大臣に提出した「業務改善計画の実施状況報告」に添付された「CSRに関する全従業員アンケート」(両社が全従業員に対し昨年11月4日~25日に実施。回答1万6667人、回答率87.4%)の結果、「もしも、あなたが森山氏のような方から、明らかに金品とわかるものを渡された場合、現時点において、その場で返すことができますか」との問いに90.9%は「はい」と回答したが、9.1%は「いいえ」と回答した。
「いいえ」と答えた理由について50.6%が「事業活動に支障が出ると思うから」と答えていた。また31.4%が「前任者らの対応に費やした努力が水泡に帰すと思うから」と答え、回答で最も多かったのは「自身や家族に危害が及ぶと思うから」(62.6%)など森山氏のような人物にはきっぱり対応できないとする課題が浮き彫りになった。課題解決策の明示と社員教育の徹底こそ再発防止に必要といえそう。
また役員退任後の嘱託などへの報酬補填問題を踏まえて「現時点において、もしも、あなたが上司から『報酬の補填手続きをするように検討しろ』と指示されたら、やめるよう進言できますか」との問いにも90.9%は「はい」と答えたが、9.1%は「いいえ」と回答した。
「いいえ」と答えた理由の51%は「事実上の業務命令に逆らうことで、社内での自分の地位や出世に影響すると思うから」と回答。また30.2%は「上司の指示に従うことが当然と思うから」26.8%が「上司の行動を見て、その真意を測って行動するのが当然と思うから」と回答するなど、「誤った保身」(結果的に自虐行為となる)姿勢がうかがえるものになった。
両社は「コンプライアンス意識の今回の調査結果を踏まえ、引き続き企業体質の是正・コンプライアンスを重視する健全な組織風土の醸成に取り組んでいきます」と報告している。(編集担当:森高龍二)