日本経済団体連合会の中西宏明会長は記者会見で対米・対中政策について「米中対立の背景を十分認識した上で、知恵を出し、両国との対話のチャネルを官民挙げて多面的に広げ、折衝を進めていく必要がある。そうした新しい外交関係を構築すべき時代に直面している」と語った。
中西会長は「米国は日本にとって唯一の同盟国であり、安全保障面での対米依存度も高いが、日米両国の対中政策は完全に同じポジションであるわけではない」とした。
中西会長は「安全保障上の課題は(日米同じポジションということが)なきにしにもあらずだが、中国はわが国にとって、経済的な結びつきが強い重要な隣国である。こうすればうまくいくといった固定的な考え方では対処できない」と語った。
また東京五輪・パラリンピックに関して「海外からの観客を受け入れないこととしたのは、観客の安全を第一に考えた苦渋の決断だと理解している」とし「経済的な損失は大きいものの、こうした困難な時期にオリンピック・パラリンピックを開催すること自体に大きな意義がある」と開催を後押しした。(編集担当:森高龍二)