東京電力「懸念踏まえ処理水に透明性高める」

2021年04月14日 06:07

 東京電力は政府が福島第一原発事故で増え続ける放射性物質による汚染水のトリチウムを含む処理水を国基準の40分の1以下に希釈し、2年後から海洋に放出することを決定したことを受け「国際基準に準拠した原子力安全に係る規制をはじめ各種法令等を厳格に遵守することはもとより、風評影響を最大限抑制するための対応を徹底するべく取り組む」とのコメントを発表した。

 東電は「処理水処分に伴う環境への影響、風評影響への懸念の声をふまえ、引き続き、国内外に対し、多核種除去設備等処理水等に関する正確な情報を迅速かつ透明性高くお伝えする取り組みを徹底し、理解を深めていただけるよう努める」と述べている。

 また「風評影響を最大限抑制するための対応として、生産・加工・流通・消費の各段階の取り組みを主体的・積極的に進め、対策を講じてもなお風評被害が生じた際には適切に賠償する」と賠償責任にも当然ながら言及した。

 ただ、東電に関しては柏崎刈羽原発でテロ対策がずさんだったことが表面化したほか、同僚のIDカードで中央制御室に入るなど、原発を扱う事業所としての信頼基盤を喪失しており、法令を厳格に順守とするコメントにも不安や懸念を示す声は強い。IAEAなど信頼できる国際機関による検査とデータによる客観性、透明性の確保で信頼性が担保されなければならないだろう。(編集担当:森高龍二)