積水ハウスが仕掛ける「ライフスタイル型モデルハウス」。家族のドラマがここにある

2021年04月25日 08:35

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積水ハウスは4月29日、京都府木津川市にある総合住宅研究所内の「関西 住まいの夢工場」に、新たに4棟のモデルハウス「みんなの暮らし 4stories」をグランドオープンする。リアルな暮らしを再現したライフスタイル型モデルハウスが特長だ。

 積水ハウス株式会社は、京都府木津川市にある総合住宅研究所に併設する「関西 住まいの夢工場」に、新たに4棟のモデルハウスを建築。2021年4月29日より「みんなの暮らし 4stories」としてグランドオープンする。このモデルハウス群の最大の特徴は、4棟いずれもが「ライフスタイル型」という、全く新しい試みで建てられている点にある。聞き慣れない「ライフスタイル型モデルハウス」とは一体、どんなものなのだろうか。

 従来のモデルハウスといえば、その住宅メーカーが誇る躯体や仕様、設備などのショーケース的な役割を担うものだ。カタログに掲載されているような住宅設備が凝縮された、いわば巨大な営業ツール。住宅メーカー側の「ウリ」が詰め込まれているため、往々にして来場者の「現実」とはかけ離れたものが多い。住宅メーカーにとっては看板のようなものだから、当然「素敵な家」ではあるものの、実際に「住まう」イメージまでは抱きにくいのだ。今回、積水ハウスがオープンする「ライフスタイル型モデルハウス」は、この点が異なる。

 「みんなの暮らし 4stories」は、住宅設備のセールス目的ではなく、暮らしへの「共感」をコンセプトにつくられたモデルハウスだ。同社の住生活研究所が独自に蓄積してきた数々の研究エビデンスから、生活提案アイデアを凝縮した工夫が随所に再現されている。その結果、「人が本当に住んでいるかのようなリアルな暮らし」を体現したモデルルームが誕生した。
 
 各モデルハウスの名称も、番号や数字、ブランド名などの無機的なものではなく、それぞれ「〇〇さんち。」と名づけられており、そこに住まう「〇〇さん」一家の家族構成や年齢、職業、趣味や性格、友人やご近所との付き合い方、休日の過ごし方などまで、驚くほど細かいイメージ設定がなされている。それゆえかモデルハウスというよりも、ドラマなどの再現セットを訪れているような感覚に陥ってしまう。廊下の向こうから、今にも住人が現れそうな錯覚すら感じてしまうのだ。

 例えば、妻の両親と一緒に暮らす二世帯ファミリーの暮らしを想定した高橋さんちでは、ハーブティが趣味のお婆ちゃんが微笑む姿が垣間見られる日当たりの良いテラスや、中二階に設えられた「家族のかすがい」である孫たち専用のスタディコーナー、家族みんなで卓を囲む一階のリビングとは別に、若夫婦が遅い時間帯でも気兼ねなく寛ぐための二階のセカンドリビングなど、6人家族が仲良く暮らしながらも、それぞれの世代が程よい距離感を保てる工夫が随所に散りばめられている。ちなみに、8m×7mの大空間の吹き抜けを実現し、まるで大きな木の木陰にいるような心地良さを演出している勾配天井には、一本の柱も梁も見当たらない。これは同社独自の技術による「KOKAGE LOUNGE(コカゲ ラウンジ)」という特別な仕様なのだが、だからといって、とくに説明やキャプションが添えられてはいない。ここはあくまで高橋さんちであり、普通のおうちにはキャプションなどがつけられているはずがないからだ。

 高橋さんちの隣には小林さんちがある。小林さんちは、子どもが二人の子育て世代。高橋さんちとはガラリと雰囲気が違う。子どもたちの賑やかな笑い声が聞こえてきそうなリビング空間には、同社が培ってきた子育て世代や共働き家族への生活提案のアイデアが豊富に採用されており、家事をしながら子どもを見守りやすい工夫や、子どもたちと一緒に家事を楽しむ仕掛けが具現化されている。子どもと一緒に洗濯物をたためる二階の畳スペースや、キッチン奥に作られた家事室など、子育て世代がこの小林さんちを訪れたならきっと、「なるほど!」と共感を呼ぶに違いない。人の家を覗き見て、いいところを見つける感覚。それこそが「ライフスタイル型モデルハウス」の醍醐味なのだ。

 また、都会の真ん中に現れた家族の王国の財前さんちや、セカンドライフを楽しむイマドキのアクティブシニア夫婦の二人住まい山本さんちも、それぞれ全く違った趣と驚きを見せてくれるので、テーマパークを巡っているような面白さもある。これら4棟は全て、住生活研究所が「生活こだわり調査」によって、ユーザーが関心を持っていることを9カテゴリー、44項目に分けて分析し、趣味や関心ごと、ユーザーの欲求などをもとに、理想の住まいと暮らしとして提案しているものだから、共感する点が多いのも当然かもしれない。

 「みんなの暮らし 4stories」は感染防止対策を徹底し、予約制での見学を受け付けている。グランドオープンは、ちょうどゴールデンウイーク。総合住宅研究所には、モデルハウスのほかに、100万人の来場者を達成した、同社の体験型研究施設「納得工房」もある。住宅購入を検討している人はぜひ一度、訪れてみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)