コロナ禍で約4割の人が収入減を実感。激増する光熱費を抑えて、夏を賢く乗り切れ!

2021年05月05日 09:13

画・エアコン

古くなったエアコンを思い切って買い替えるのも節電になる場合がある

 一年以上経ってもなお、猛威をふるい続ける新型コロナウイルス。家計に及ぼす影響も計り知れない。明治安田生命が今年3月に全国の20~79歳の既婚男女1620人を対象に行ったインターネット調査によると、コロナ禍で年収が減ったと回答している人が17.7%、 将来的に年収が減収すると感じている人が19.69%にのぼり、合わせて約4割もの人が収入の減少を実感していることがわかった。

 一方で、度重なる自粛生活によって外出する機会が減ったことで、外食代や被服費、交通費、美容費などの出費は減少しており、とくに外食代の支出が減ったと回答している人は69.1%だった。収入が減った分、支出も抑えられているようにも思えるが、問題は自宅での費用が跳ね上がっていることだ。 在宅時間が増えたことで水道、光熱費、自宅での食費などの費用が激増している。中でも光熱費は平時の3倍近くになっている家庭も多いともいわれている。まだしばらく続くであろうコロナ禍を無事に乗り切るためには、これらの出費をいかに抑えるかが、家族を守る課題となる。

 とくにこれからの季節で気をつけたいのがエアコンだ。資源エネルギー庁の発表でも、夏期の電気使用量の58%がエアコンによるものだという。感染防止のためには、こまめな換気が推奨されるが、そのたびにせっかくの冷気が逃げてしまうので、電気代がかさむのではないかと心配する人も多いだろう。そこで換気の際には少しでも節電しようとエアコンを一時停止してしまう人も多いが、どうやらこれは逆効果になるようだ。5分程度の換気なら、エアコンを止めずにつけっぱなしにした方が電気代は抑えられるという。また、換気もさることながら、フィルターの掃除もこまめに行う方が電気代を大幅に節約できるらしい。空調機の世界的メーカーのダイキンの調べによると、エアコンのフィルターを一年間掃除しないと、掃除した場合よりも消費電力量が2割以上も上がることが報告されている。

 また、古くなったエアコンを思い切って買い替えるのも節電になる場合がある。最近のエアコンは省エネ性能が高いので、長い目で見れば家計の大きな節約になるだろう。例えば、コロナ禍のウイルス対策の一つとしても注目されているシャープのプラズマクラスター搭載製品「N-Xシリーズ」などもおすすめだ。

 50,000個/cm3までイオン濃度を高めた「プラズマクラスターNEXT」によって、室内の空気をきれいに保てるほか、室内機内部のカビなども抑制してくれる。さらに2021年の最新モデルでは、寒さを抑えながらしっかり除湿が行える「氷結ドライ」機能が搭載されているので、寒暖差のある梅雨時期などにも重宝しそうだ。ちなみに、総務省統計局によると、2人以上の世帯でのエアコンの平均寿命は13.5年。10年を超えるエアコンを使用しているようなら一度、専門店で相談してみるといいだろう。

 そして、もしも近々、自宅の新築などを検討しているのなら、これから注目してもらいたいのが「住宅の燃費(光熱費)表示制度」だ。これまで、新築住宅には省エネ等級などの表示制度はあるものの、実際に光熱費がいくらかかるのかといった表示はなく、消費者にとっては判断しにくいものだった。そこで国土交通省では、消費者の省エネ性能に対する関心を高めるため、住宅の省エネ性能の光熱費表示検討委員会を発足。2022 年度の導入を目指して動いている。各住宅メーカーもこの制度導入に向けて動き始めているとみられるが、公的な制度に先駆けて、独自に「住宅の燃費(光熱費)表示制度」をすでに採用している住宅メーカーもある。木造注文住宅を手がける株式会社アキュラホームグループとスマートアライアンスビルダーだ。同社らは今年5月1日から、業界で初めて、新築住宅建築の際、独自のシミュレーションによる月額の住宅の燃費(光熱費)まで表示する制度を開始した。しかも、この制度を利用して住宅を購入したユーザーには入居後1年間、もしも差額がシミュレーションより上回った場合には、それを保証してキャッシュバックするという。逆に、省エネを実践して、シミュレーションよりも光熱費が下回った場合にも、その差額をユーザーに還元するというのだから、何とも太っ腹だ。同社では、コロナ禍もさることながら、この節エネするほど得する仕組みをつくることで、保証の1 年間が終了した後も、省エネを意識した暮らしを促し、建主とともに脱炭素社会に貢献することを目的に、制度の導入を決定したという。
 
 ウイルス感染の不安に加えて、自粛生活、さらには収入の不安と支出の増加。日に日にストレスはたまるばかりだが、光熱費を賢くやりくりして、この試練の夏を何とか明るく元気に乗り越えたいものだ。(編集担当:藤原伊織)