6月1日の定時総会で健康上の理由から会長を退任することになった日本経済団体連合会の中西宏明会長の後任に住友化学の十倉雅和代表取締役会長が就任することになった。十倉氏は12日までに記者会見で就任内定に「非常に驚いているが、大変光栄」と述べた。
また「コロナ禍からの復活を目指すべく、政官民が力を合わせて、感染拡大防止と経済回復の両立に全力で取り組むことが重要。ポストコロナの新たな時代には新しい発想と大胆な政策が求められることが想像される」と意欲をみせた。
十倉氏は「DXを通じた新たな成長、働き方改革、地方創生、国際経済秩序の再構築、グリーン成長の実現といった基本施策の具体化を目指して副会長の皆さんともに経団連の活動を積極的にリードしていきたい」とした。
一方「企業はともすれば今まで利益重視、効率重視の経営をしてきたきらいがある」と述べ「その結果として、生態系の破壊を招き、格差を生んだという批判もある」とし「米国のビジネス・ラウンドテーブルや世界経済フォーラムは『株主第一主義を脱し、ステークホルダー主義をとるべき』と主張している。こうした世界の趨勢の中で、経団連もソーシャル・ポイント・オブ・ビューを持って、マルチステークホルダーと価値を協創するような資本主義市場経済の実現を目指すべき」と大きな指針を示した。十倉氏は東大経済学部卒。(編集担当:森高龍二)