立憲民主党の枝野幸男代表は15日の衆院本会議での菅内閣不信任決議案に対する趣旨説明の流れの中で「1日も早く新しい政権をつくり、感染症対策を抜本的に転換し、命と暮らしを守る政治を実現することを約束する」と訴え、自公政権に代わる立憲を軸として政権樹立に強い意欲を示した。
枝野氏は「新政権の所信」を示すとして「飲食や観光などの事業に最大の効果が及ぶよう、当たり前の日常を取り戻すことのできるタイミングを見据え、税率5%への時限的な消費税減税を目指す」とした。
また「中間層を含めて疲弊している国民生活を支えるため、年収1000万円程度の方までは実質免除となる大胆な規模で、時限的な所得税減税を断行する。こうした効果が十分に及ばない低所得の皆さんには消費税5%の負担に相当する額以上を現金給付する」とかなり大胆な政策を示した。
また「持続化給付金の再給付や家賃支援給付金を含め8兆円の予算を充てて事業者支援を講じる。納税が困難な方には納付猶予特例制度の延長に加え、減免措置を創設する」とも語った。
枝野氏は環境問題、エネルギー問題に関しても「将来世代・地球の未来のために野心的な削減目標を掲げ、石炭火力に依存し続ける社会から早急に脱却しなければならない。同時に、気候変動対策を名目に原子力政策を時代に逆行させることは許されない」とした。自民党内では経団連とともに原発の再稼働加速にとどまらず、新増設まで求める声があがっている。
このほか、枝野氏は安倍政権以降、深刻化してきた政府への不信感を是正するため「新しい政権では内閣官房に総理直轄の真相究明チームをつくり、森友・加計問題や桜を見る会問題等について、必要な情報をすべて開示して真相を究明する」と明言した。
また「隠蔽、改ざんなどが出来ないよう、公文書管理制度と情報公開制度を抜本的に強化し、公文書記録管理院の設置を目指す」とした。年内に実施される衆院選挙で自公政権に対峙しうる政権選択の一環を示した内容になった。(編集担当:森高龍二)