菅義偉総理は3日、総理官邸で医療関係団体と意見交換した際、新型コロナウイルス感染拡大地域においての医療体制を整備するとしたが、自宅療養を基本に据える中、地域診療所が患者状況を把握し適切な医療提供をと要請しきりだった。
菅総理は「ワクチン接種の進行と、感染者の状況の変化を踏まえ、急激な感染拡大においても、医療提供体制を確保し、誰もが症状に応じて必要な医療を行うことができるように、昨日、方針を転換した」と説明。
具体的に「感染拡大地域においては重症患者や重症化リスクの特に高い方、すなわち、中等症のうち酸素投与が必要な方や、それ以外で糖尿病等の疾患をお持ちの方には確実に入院していただき、それ以外の方々で、症状が悪くなった場合に、必ずすぐ入院できる体制を整備していく」と説明。
菅総理は2日の新型コロナウイルス感染症の医療提供体制に関する関係閣僚会議で感染者に対し自宅療養を基本に、往診やオンライン診療で対応、症状が悪化した場合に入院させることで医療現場の逼迫を防ぐ考えを示していた。
この日も、菅総理は「患者にとって身近で頼れる存在である地域の診療所におかれては、往診やオンライン診療などによって、こうした患者の状況を把握していただき、適切な医療を提供していただきますように」と要請。
そのために「政府としてもパルスオキシメーターを配布することに加え、自宅・宿泊療養の新型コロナ患者に対する往診の診療報酬を大きく拡充。病床がひっ迫した地域を県境を超えて支援するため、看護師等の広域派遣についても取り組んでいる。さらに重症化リスクを7割減らす画期的な治療薬について、50代以上や基礎疾患のある方に積極的に投与し、在宅患者も含めた取り組みを進めている」と政府の姿勢を強調した。
菅総理は「病床の確保とともに、自宅・宿泊療養の強化について、改めて一段のお力添えを」と重ねて協力を求めた。(編集担当:森高龍二)