A級戦犯を祀る靖国神社に13日、岸信夫防衛大臣や西村康稔経済再生担当大臣が参拝した。記帳には、いずれも「衆議院議員」と記したとし、閣僚の肩書は入れなかった。玉串料は「私費で納めた」としている。
靖国神社には中国侵略と米国に対する平和の罪に問われた満州国軍政部最高顧問で、731部隊の前進部隊(関東軍防疫部)の設立提案者だった板垣征四郎陸軍大尉やハワイ軍港・真珠湾不法攻撃罪などに問われた東條英機第40代総理ら「A級戦犯」が合祀され、その御霊を「奉慰し、顕彰している」。
中国、韓国がこれら「A級戦犯」を顕彰している靖国神社への閣僚参拝に対し、「過去の侵略戦争と植民地支配に思いをいたし、二度と戦争の惨禍を繰り返さない」とする日本の立場に沿わないと非難するのは、ある種、当然のことなのだろう。しかし、今回は両閣僚ともに大臣としての肩書は記さず「衆議院議員」と記しており、周辺国へ一定配慮した参拝ともいえよう。
衆議院選挙を近くに控えた年には決まって閣僚や国会議員の靖国神社参拝が増える傾向にある。一般社団法人日本遺族会では「英霊顕彰事業として、首相・閣僚の靖国神社参拝の推進」を会の取り組みのひとつにあげており、日本遺族会を意識しての行動との見方もある。(編集担当:森高龍二)