政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策ですでに発令している13都県に追加して、北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県にも「緊急事態宣言を発出する」ことを決め、高知、佐賀、長崎、宮崎をまん延防止等重点措置に追加することを決めた。期間は27日から9月12日までとしており、2週間余りでどこまで抑え込みが図れるのか、繰り返される宣言発令に人流抑制効果の実効性も問われそうだ。
菅義偉総理は同日、記者会見し「新規感染者数は過去最大の水準を更新し続けています。特に中部圏などにおいて高い増加を示しています。全国的にほぼ全ての地域でこれまでに経験のない感染拡大が継続しております。保健所の体制や医療提供体制も厳しい状況が続いています。こうした中で、各地域の病床の状況などを踏まえ、対象を追加する判断をいたしました」と語った。
そのうえで「こうした地域において、医療体制の構築、感染防止、ワクチン接種という3つの柱から成る対策を徹底していく。国民の皆様の御協力を頂きながら、この危機を何としても乗り越えていく、そうした決意に変わりはありません」と述べた。
菅総理は自宅療養者対策に関して「最初に受診した診療所などにおいても健康観察や相談、電話診療などを行っていただける体制を地域の実情に応じて、医師会の協力も得て、速やかに構築する」「新型コロナに感染した妊婦に対応できる高度な医療体制についても、地域での確保を進め、緊急時でも迅速な搬送を行えるよう、病院、都道府県と消防機関の情報共有と連携の強化を徹底する」とした。
また子どもへの感染が増えている状況に関して、菅総理は「学校での感染が大きく広がることのないよう、チェックリストの周知を進め、発熱等の症状がある場合は登校しないことなど基本的な感染対策を徹底する。幼稚園、小中学校に約80万回分の検査キットを配布し、早期の発見、対応に努める。教職員のワクチン接種を進めていく」とした。
菅総理は「国から全国一斉に休校要請することは考えていない」としたうえで「学校で感染者が出た場合には学校や自治体が濃厚接触者の特定や休校の判断を適切に行えるよう、速やかにガイドラインを示していく」と語った。(編集担当:森高龍二)