GoToトラベルなど今年度実施できないと見込まれる事業予算を、財政法33条但し書き規定を適用し、必要なところに迅速に回すよう立憲民主党の小沼巧議員が19日の参院内閣委員会閉会中審査で提案した。
小沼氏は昨年度からの繰越金を取り上げ「約30兆円予算が余る一方で、医療体制ひっ迫など、他にも、生活困窮者とかも含め、もろもろ手の足りていないところがある」と提起。「財政法第33条(但し書き)に基づく『移用』という仕組み」で、必要な事業への転用を提案した。
小沼氏は昨年5月25日の決算委員会でも同様の提案を財務大臣にしたが「その時は緊急事態宣言が解除されるというタイミングだったので『目の付け所はいいかもしれないけれども、時期としては』という話があった。今回は緊急事態宣言がさらに拡大されている時期であり、今こそ予算総則に定める『移用』を柔軟に活用することで、必要なところに必要な金額を、迅速かつ潤沢に届ける。その仕組みを、予算委員会を開いて実現すべきです」と求めた。
財政法33条は但し書きで「予算の執行上の必要に基づき、あらかじめ予算をもつて国会の議決を経た場合に限り、財務大臣の承認を経て移用することができる」となっている。
西村康稔経済再生担当大臣は予算が余っているという指摘に関しては「多めに予算を確保しているということと予算を適切なタイミングで出しているということ」と説明。西村大臣は「GoToトラベルに関しても1兆円まだ残っているが、これは去年やるべきでなかったから残っている」とタイミングの問題だとし、多めの予算確保に関しても「無利子無担保融資(のための予算)など」必要なものと説明した。(編集担当:森高龍二)