衆議院は14日、解散した。19日公示、31日投開票へ「衆院選挙」に事実上の突入。今回の選挙は「新しい資本主義」を唱えながらも、実態は安倍・菅政権を引き継いでいる岸田文雄総理の率いた自公政権継続の選択か、安倍・菅政権9年の「負の遺産」を清算し「まっとうな政治を」訴える立憲民主党・枝野幸男代表率いる新政権樹立の選択かの戦い。
立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組4党が連携したことで「政権交代」に届く情勢で、総選挙が本来の『政権選択選挙』になる。
岸田文雄総理は14日、衆院解散前の会見で「国民の皆様の御判断を頂かなければなりません。就任してから11日。11日間、この新しい内閣が何をするのか説明してきましたが、選挙を通じて我々が何をしようとしているのかを訴えていきたい」と語った。
立憲の枝野代表は党両院議員総会で「あさって(16日)の発表で、正式に、わが党単独でも衆議院総定数の過半数233を超える候補者を擁して、政権選挙に挑んでいくことができる」と語った。そして、安倍・菅政権について「国民の声を聞かず、官僚の皆さんに忖度させ、説明しない、隠す、ごまかす、公文書すら改ざんする。まったくもって不誠実な政治を一貫して進めてきた」と述べた。
一方、自民党の甘利明幹事長は「立憲と共産が選挙協力する。総選挙は自由と民主主義か、共産主義が入ってくる政権かの政権選択だ」と自由と民主主義があたかも脅かされるかのような表現でけん制した。
しかし、日本共産党は綱領で「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」としているほか「国会を名実ともに最高機関とする議会制民主主義の体制、反対党を含む複数政党制、選挙で多数を得た政党または政党連合が政権を担当する政権交代制は当然堅持する。選挙制度、行政機構、司法制度などは、憲法の主権在民と平和の精神にたって、改革を進める」としており、憲法遵守を明確にしている。
むしろ憲法9条解釈の変更のために内閣法制局長官の首をすげ替え、法の安定性を危機にさらしているのは安倍政権と言わなければならない。日本共産党の山添拓参院議員は、甘利氏の発言に対してツイッターに「野党共闘をよほど警戒してか、共産党排除の印象操作でしか争点を語れない様子。自由と民主主義を脅かしてきた自公政権をいよいよ終わらせよう」と投稿した。有権者がどのような選択を31日に行うのか、今後の方向を占う大きな選挙になりそうだ。(編集担当:森高龍二)