内部留保5.8%で労働者所得1997年水準に

2022年01月18日 06:10

 労働総研は22年春闘への提言を17日までに行った。提言では企業の内部留保の5.8%の財源で、月間給与支払総額を1997年(37万1670円)水準に戻せる、としている。

 労働総研は「1997年水準に戻すためには「2020年の賃金を16.7%、5万3265円引き上げる必要があるが、不払い労働の根絶、非正規雇用の正規化および最低賃金の1500円への引き上げを行えば、その水準に達する」とし「必要な原資は40兆9000億円で、企業の内部留保(704兆3000億円)の5.8%に過ぎない」としている。

 また「G7各国を比較すると、この20年間、日本だけ実質賃金が上がらず、長期不況の原因がそこにあることは一目瞭然」と指摘。

労働総研は今や日本はG7の落ちこぼれになっている。世界経済における地位も著しく低下した。例として国民の豊かさを示す1人あたりGDPは、IFM195ヵ国中、2000年の2位から、20年には24位にランクを下げた」とG7の中で、唯一、実質賃金が上がっていないことなどを指摘している。そのうえで「労働組合は主体的な努力によって組織を拡大し、戦闘力の回復に努めなければならない」と組合の組織力、機能の強化を求めている。(編集担当:森高龍二)