企業内部留保現預金240兆円もさらに支援策

2019年10月06日 09:03

 法人税減税や研究開発費などの企業優遇策で企業の内部留保が2012年度から6年間で50兆4000億円増え、現預金で2018年度は240兆円にのぼるなか、安倍晋三総理は3日の未来投資会議で「やる気のある既存企業がスタートアップ企業をM&A(合併・買収)する場合や共同研究を行いやすくするための支援策やルールづくりなど環境整備を図る」と一層の支援策を行う考えを示した。

 50兆円の増加のうち、上場企業が31兆2000億円をしめている。上場企業の内部留保額は116兆円になった。こうした中で営業利益に占める設備投資比率や研究開発比率は2013年度から毎年、減少を続けている。2011年度を100として2017年度は設備投資比率「ほぼ80」、研究開発投資は「ほぼ70」。政策効果が表れているとはいえない状況。

 また安倍総理は「全世代型社会保障改革で厚生年金の適用拡大などを進める」とし「中小企業の生産性向上支援策の整備は不可欠」なので「経済産業大臣を中心に検討を進めていただきたい」と指示。

そのうえで「これらについては、年末に中間報告を取りまとめる。来年夏までに新たな実行計画を閣議決定したいと考えている」と述べた。(編集担当:森高龍二)