岸田文雄総理は17日、施政方針演説を行い、行き過ぎた「新自由主義」路線の弊害を列挙し、是正に向け「成長と分配の好循環による『新しい資本主義』によって、世界の経済社会変革の動きを主導し、官民が全体像を共有し、協働することで、国民一人ひとりが豊かで、生き生きと暮らせる社会を作っていく」と強調した。
岸田総理は、新自由主義の下「市場に依存し過ぎたことで、公平な分配が行われず、生じた格差や貧困に拡大。市場や競争の効率性を重視し過ぎたことによる中長期的投資の不足、持続可能性の喪失、行き過ぎた集中によって生じた都市と地方の格差、自然に負荷をかけ過ぎたことによって深刻化した気候変動問題、分厚い中間層の衰退をもたらした、健全な民主主義の危機」を列挙し「世界でこうした問題への危機感が高まっている」と世界の潮流として一般化したが、日本においては、これら弊害が、経団連と一体化した安倍政権8年間に顕著に加速した。そこには触れなかった。
岸田総理は「様々な弊害を是正する仕組みを『成長戦略』と『分配戦略』の両面から、資本主義の中に埋め込み、資本主義がもたらす便益を最大化する」と訴えた。(編集担当:森高龍二)