岸田文雄総理は21日の衆院予算委員会で集団的自衛権が問題となった安保法制の議論の際、当時の安倍晋三総理が「いわば外国に出かけて行って空爆を行う、あるいは撃破するために地上軍を送って滅戦を行うということは、これはまさに必要最小限度を超えるのは明確であり、一般に禁止されている海外派兵にあたる」と国会で答弁しているが、この考えを引き継ぐのか、と問われ「政府として、引き継いでいる」と答弁した。
そのうえで「敵基地攻撃能力」の検討について岸田総理は「急速なスピードで進化しているミサイルなどの技術に対しても国民の命を守る十分な備えができているか、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していく」と検討を進めていく考えを強く示した。
日本共産党の宮本徹議員の質問に答えた。宮本氏は岸田総理が集団的自衛権の行使としての敵基地攻撃を否定しなかったことや岸信夫防衛大臣が相手国の領空に入って爆弾を落とすことを検討の選択肢として排除しない、などと答弁していることを踏まえ、政府の考えを質したのに答えた。
岸田総理は岸防衛大臣の答弁に関して「今回の検討は憲法および国際法の範囲内で日米の基本的な役割分担を維持しつつ行うという前提の下、あらゆる選択肢を排除せずに行っていくという趣旨を述べたものと理解している」と釈明。
そのうえで「我が国の武力行使に関しては平和安全法制の中で『新3要件』を満たしたものしか許されない。そのうえで、憲法や国際法、日米の基本的な役割分担をしっかり守りながら、何ができるのかをしっかり議論していくことが基本だと認識している」と答えた。(編集担当:森高龍二)