自民党元幹事長の石破茂衆院議員は直近のブログで、オミクロン株感染急拡大の一因に米軍基地在住者との関連が報じられるが「日米地位協定を論じるものはあまり見受けられない」としたうえで日米地位協定と一体の日米安保条約の『片務性』から、日本にも、米軍にも無意識に弊害が生じているとの認識を示している。
石破氏は日米安保条約が「世界に例を見ない『非対称的双務条約』(当事国の果たすべき義務が米国の『日本防衛』、日本の『領域の米軍への提供』と、互いに全く異なる内容となっている条約)」で、この条約の特異性が「日本はアメリカ防衛の義務を負わない方が楽だし、基地負担は基地が所在する地域に引き受けてもらえばいい、といった非常に無責任な考えを無意識に生み出している」と指摘している。
また「他方で、米軍に『日本のどこにでも、どれだけでも、いつまででも、どのようにでも展開できる権利がある』と思わせてきた」と弊害をあげる。
石破氏は「本来、安保法制を成立させたとき、ごく限定的にせよ集団的自衛権の行使を可能としたので、この関係にも多少の変化があって当然と思うが、そうはならなかった」とし「今でも私は、在日米軍基地については一義的に自衛隊が管理する駐屯地や基地の中に米軍が間借りする形にできる限りしていくべきと思う」と独自の考えをあげ「日米の防衛力の分担についても精緻な対話のもと、常に実行可能な具体的構想が共有されているべきと思っている」とした。
ただ、自衛隊基地内に米軍が間借りする形になれば、米国の戦争に相手国から日本全国の主要な自衛隊基地が攻撃を受け、米国の戦争に巻き込まれることになるのは明らか。現行以上にリスクが高まるが、そのリスクについて石破氏は触れていない。(編集担当:森高龍二)