緊迫するウクライナ情勢。ロシアがウクライナ東部地域で新ロシア勢力が2014年に独立宣言していた「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」を独立国として承認したことに対し、日本共産党の志位和夫委員長は「ロシアの暴挙を断固糾弾する」と厳しく非難するとともに、プーチン大統領がウクライナ東部に軍部隊を派遣する指令を出したことについても「すみやかな撤回を強く求める」と抗議する声明を発表した。
日本政府に対しても、今回の事態に対し「プーチン大統領に決定の撤回を求め、平和の国際秩序の侵害を許さない確固とした外交をすすめるよう求める」と強く求めている。
志位氏は「ウクライナ国境沿いのロシアの大軍展開や隣国ベラルーシでの核戦力を含む軍事演習など露骨な軍事圧力のもとで強行された今回のロシアの行動は国連加盟国の主権、独立、領土保全の尊重、武力による威嚇禁止を明記している国連憲章、国際法の基本原則に反した侵略行為そのもの」と非難。「わが党はこの暴挙を断固糾弾するとともに、『独立』承認と派兵指令のすみやかな撤回を強く求める」と抗議。
また「一方的な独立承認とロシア軍の派兵指令はウクライナ東部問題の平和的解決のために2014年と15年に関係国間で結ばれたミンスク合意を踏みにじるとともに、ロシアを含め、この合意を承認してウクライナの領土保全の『全面的な尊重』を再確認している国連安保理決議2202(2015年2月)に違反するもの」と指摘した。
AFP=時事はプーチン大統領が22日、ウクライナ東部に軍部隊を派遣するかどうかは現地の状況次第だと述べた、と報じた。また、「ミンスク合意は、もはや存在しない」と断言したと伝えている。(編集担当:森高龍二)