岸田文雄総理は3日夜の記者会見で、ロシアによるウクライナ侵略で原油がさらに高騰を続けている事態を受け、緊急避難措置として燃料価格激変緩和策に実施している石油元売り業者への支援の上限額を現行の「5円」から「25円」に引き上げるとした。
しかし、ガソリン価格が1リットル当たり160円を超える状態が3か月以上続けば1リットル当たりにかかる税金「53円80銭」から「25円10銭」を減額し、「28円70銭」にする『トリガー条項』の凍結解除に関しては、国や地方の財政を憂慮してか、この日も「何が実効的なのか、効果があるのか、こういった点も考えながら考えていくということだと思う。その運用の仕方など様々な点も含め、様々な選択肢の中で考えていきたい」とするにとどまった。
トリガー条項の実施で1年間では国は1兆円、地方自治体は5000億円減収することが試算されている。しかし、真水で1兆5000億円規模の経済対策と考えるべきではないか。車社会でガソリン価格が税金減によって25円10銭下がれば、自動車利用者は直接減額効果を享受でき、生活支援とともに経済的波及効果も期待できる。
岸田総理はトリガー条項凍結解除へ震災特例法の改正手続きを急ぐべき。また灯油などに関しては別途支援を継続していけばよい。国民民主党の玉木雄一郎代表は4日、公明党の山口那津男代表にトリガー条項凍結解除への理解と協力を求めた。石油元売り業者への1リットルあたり最大25円補助という小出し政策ではなく、経済的波及効果も期待できるトリガー条項凍結解除への勇断が求められている。(編集担当:森高龍二)