2015年に国連で採択されたSDGsは持続的成長が可能となるように30年までに実現すべき人類の目標であるが、日本においても既に多くの企業・団体で取り組みが行われている。しかし、他の主要国と比較すると、日本では日々の消費行動にあたってSDGsに関する意識が著しく低いようだ。日本の消費者はSDGsの実現に関連し追加的な出費を望まないという調査結果が出た。
4月13日、アメリカン・エキスプレスが「世界7か国のSDGs消費に対する意識調査」の集計結果を公表している(調査期間;3上旬、対象;18歳以上の男女、対象国(標本数);米国(1998名)、日本、オーストラリア、インド、英国(各1000名)メキシコ、カナダ(各999名)、合計7996名、)。調査結果によれば、「どのくらいの頻度で目的意識を持った買い物を行っているか」との問いに対して、国別に回答を見ると、意識した購買行動の割合が最も高いのは「インド」の87%、次いでメキシコ54%、オーストラリア46%と続いており、日本は26%と、調査対象国7カ国の中で最も低い結果となっている。年代別に見ると、40歳以下の層で52%と高い傾向になっており全体平均46%を上回っており、若い世代ほどSDGsへの意識は高そうだ。
「持続可能製品の購入を躊躇させる要因は何か」という問いには、「価格が高い」が7カ国全てでトップとなっており、グローバル平均61%となっている。次いで2位は、米国、オーストラリア、インド、英国、メキシコ、カナダでは「持続可能な製品は簡単に手に入らない」(グローバル平均36%)となっているが、唯一日本では「十分な情報が無い、知らないから」29%と、日本が最も関心が低いようだ。
「持続可能な製品のために、より高い金額を支払うか」との問いに対しては、「はい」と答えた割合はグローバル平均では48%となっているのに対して、日本では32%と他国と比べ著しく低く最下位となっている。「支払ってもよいと思える割り増し金額の上限」についても、「10%未満」と答えた者の割合がグローバル平均では23%となっているのに対して日本では39%と最も多くなっており、割増料金を支出してまで持続可能な製品を購入することにあまり積極的ではないようだ。レポートでは「日本人が行動を起こすには、まず自身で情報を得、知る、ということが重要である」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)