アースディ2022のイベントが各地で開催。未来に受け継ぎたくないものと、遺したいもの

2022年04月29日 08:24

植樹(1)

アースディは、地球の環境保護への支援を示すための毎年恒例の催しで、初めて行われたのは今から50年以上前の1970年4月22日にまでさかのぼる

 未だ収まらない新型コロナウイルスや、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻など、不安定な世界情勢の中ではあるものの、4月22日には今年も世界各地でアースデイを記念した様々なイベントが開催された。

 アースディは、地球の環境保護への支援を示すための毎年恒例の催しで、初めて行われたのは今から50年以上前の1970年4月22日にまでさかのぼる。アースデイ関連のイベントは世界193カ国以上で開催されており、参加人数はおよそ10億人以上。日本でも1990年に第1回目のアースデイが行われてから、全国各地でアースデイを祝うイベントや企画が実施されている。

 アーティストたちが出演するアースディ・コンサートやライブ、トークライブ、環境をテーマにしたコンペティションなど賑やかで華やかな催しが目を引く中、派手さこそないものの、地道で堅実な取組みにも注目したい。

 例えば、蜂蜜やローヤルゼリー、プロポリスなどのミツバチ産品の製造販売や、それらを使用した健康食品・化粧品などを幅広く展開する、日本有数の養蜂業者である株式会社山田養蜂場は、アースデイを記念して4月9日~22日の期間、岡山県津山市にある同社の工場敷地内で植樹祭を開催した。期間中に6回開催した植樹祭には、同社の社員とその家族のべ110名が参加し、1120本もの苗木を植えた。

 ハチは自然環境に大きな影響を与える生き物だ。2011年発表の国連環境計画によると、受粉を助けるハチがいなくなると、野菜や果物の7割が消えてしまうといわれるほどだ。とくに都心部ではハチを見かける機会が少なくなってしまってしまい、問題視する声も多い。同社の原点でもある養蜂は、いわば自然環境を豊かにする活動ともいえる。同社の植樹祭は、従業員やその家族に地球環境を考える時間を提供するとともに、自然の守り人としての自覚や誇りを再認識してもらう良い機会にもなったのではないだろうか。

 また、アースデイに先立って4月17日には、今年14回目の開催となる恒例の「アースデイいのちの森2022」も、明治神宮原宿門特設ブースで開催。「はじめよう あなたの いのちの森づくり」をテーマに、どんぐり苗の里親配布と回収が行われた。これは、ポットに入ったどんぐり苗を持ち帰って、自宅や学校、オフィスなどで育てるアクションだ。植林用苗に育った苗は、NPO法人響が定期的に実施している「どんぐりの里親回収ブース」に戻すことで、同者が行う植林活動に活用される。まさに「どんぐりの里親」に慣れる活動なのだ。どんぐり苗の育成は、移し替え不要でお水をあげるだけでOKで簡単なため、初心者でも気軽に参加できるのも嬉しい。

 他にも、アースデイに合わせて行われたユニークな植樹活動としては、スマートフォン向けの拡張現実技術を利用したオンライン・位置情報ゲームの「Ingress」などを運営するNiantic社では、4月23日に同社の位置情報ゲームで5km歩くと「Nianticが木を1本植樹」するという活動を実施。ゲーム内のアイテムや通貨をリーズナブルに購入できるなどの期間特典などと合わせて開催することで、世界中のユーザーを中心に話題を呼んでいた。

 地球環境問題は決して他人事ではない。未来に受け継ぐべきは、都会にも木々や草花が生い茂り、ミツバチが元気に飛び回る豊かな自然環境だ。そのためには自分に何ができるのか。アースデイだけでなく、日々の生活の中でも地球環境について考える時間を少しでもつくりたいものだ。(編集担当:藤原伊織)