地方に首都圏私大のサテライトキャンパス推進

2022年06月05日 08:47

 岸田文雄総理は1日のデジタル田園都市国家構想実現会議でデジタル田園都市国家構想基本方針案ができたことを踏まえ「基本方針の策定をもって一つの区切りを迎え、今後は、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた取り組みを政府一丸となって推進し、目に見える成果を挙げていく時」と強調した。

 また「年末には『まち・ひと・しごと創生総合戦略』を抜本的に改訂し、『デジタル田園都市国家構想総合戦略』を策定する」と語った。

 岸田総理は構想実現に取り組む地方公共団体への支援に関して「地方創生推進交付金、地方創生拠点整備交付金及びデジタル田園都市国家構想推進交付金の3つの交付金を新たに『デジタル田園都市国家構想交付金』に統合し、地方公共団体の構想実現に向け、国として強力に支援したい」とした。

 基本方針案では「デジタル技術の実装を行い、地方の社会課題をデジタルの力を活用して解決していく」とし、そのため「地方でのデジタル基盤やデジタル人材確保が重要。デジタル技術になじみの薄い高齢者や障害者などデジタル化の恩恵を受けられない人を生まないための取り組みも求められる」としている。

取り組みの柱には(1)デジタルの力を活用した地方の社会課題解決(2)デジタル田園都市国家構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備(3)デジタル人材の育成・確保(4)誰一人取り残されないための取り組みの4つをあげた。

 また基本方針案では「地方大学の魅力向上」に関して「進学や就職を機に地方を離れる若者は多く、若い世代の人の流れに関しては大学等が果たす役割が大きい」とし「地方大学の振興や地方国立大学の限定的・特例的定員増、東京圏の大学等の地方へのサテライトキャンパス設置推進により、地方において魅力ある学びの場を作る」としている。

 また「産学官の連携により地域の中核的産業の振興や雇用の創出を推進することが重要」としている。

 さらに「高校の魅力向上」に関しても「将来、地域ならではの新しい価値を創造し、地域を支えるような人材を育成するためには、地域を知り、地域に親しむ機会の創出が重要」との視点から「学校が地域の関係機関等と連携しながら教育に取り組むために高等学校等と地域をつなぐ人材(コーディネーター)の配置や専門高校(農業高校、工業高校、商業高校等)において、地方公共団体や産業界等と連携・協働した実践的な職業教育を推進することで、地域経済の活性化を担う人材養成に果たす役割を強化する」としている。(編集担当:森高龍二)