常任理事国入りなら集団的自衛権の解釈変更必要

2022年06月07日 06:51

 自民党の石破茂元幹事長は3日のブログで「日本が本当に国連常任理事国入りを目指すのであれば『国連の集団安全保障としての武力行使の参加は、自衛の必要最小限度を超えるので憲法上認められない』との憲法解釈を変更せねばならないでしょう」と憲法解釈の変更が必要だと発信した。

 石破氏は「安全保障理事会の常任理事国として、加盟国に集団安全保障としての武力行使への参加を求めながら、自国は参加しない、などということはあり得ません」とし「そのような自国にのみ都合の良い主張は必ず国際社会の軽侮を招くことになります。『常任理事国として負うべき義務と責任』を正面から論じなくてはなりません」と大きな課題を提起している。

 同時に国連憲章53条と107条の「敵国条項」に関しても指摘している。同条には「第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国(日本・ドイツなどの枢軸国)が侵略行為を行うか、その兆しを見せた場合には、国連安保理を通さなくても軍事的制裁を行うことが出来る」とある。

 石破氏は「敵国条項は既に死文化しているのだから憲章の改正は必要ない、との考えは甘い」「明文として残しておくことに積極的な意義を感じる国があるからこそ残っているのです」と、この条項に関しても、削除してもらう必要を発信している。

 石破氏はバイデン米大統領から「(岸田文雄総理との首脳会談で)日本の国連常任国入りを支持する旨が発言され、共同声明でも盛り込まれたが、敵国条項の削除に関しても言明して頂かなければ整合がとれない」と常任国入り支持へのより現実的な発言を求めている。(編集担当:森高龍二)