岸田文雄総理が「子どもを真ん中に据えた社会を実現する」と子育て支援へのメッセージを10日までに発信した。少子化への危機感を示した格好。メッセージで総理は「希望する方が、子どもを産み、育てやすい社会を実現する」と冒頭に述べた。
子どもを産み、育てやすい社会の実現への取り組みとして、岸田総理は「4月から不妊治療が保険適用になりました。不妊でお悩みのご夫婦の方はぜひお気軽に各都道府県等の相談センターまでお問い合わせください」と呼び掛け。
また「出産育児一時金についても引き上げに向けて努力し、妊婦の皆さんが安心して出産できる環境づくりを進めます」としている。待機児童の解消、学童保育の拡充、男性の育休取得なども積極的に進めることもあげた。
そのうえで、岸田総理は「来年4月に『こども家庭庁』を設置する法案の国会審議も進んでいます。児童の虐待や子どもの貧困などの問題について省庁縦割りを打破し、今後は『こども家庭庁』が司令塔となって、子どもを真ん中に据えた社会を実現します。そうした中で、こども予算倍増に向けた取り組みを進めます」と国民にメッセージを送った。
国立社会保障・人口問題研究所が2015年の国勢調査などを踏まえて将来の人口推計を公表している資料では年間出生数は1973年209万人だったが、2015年には101万人に半減。0歳~14歳の人口は1980年代初め2700万人規模だったが、2015年に1595万人にまで減少。56年には1000万人を割り、65年には898万人規模になるとの推計が出ており、少子化への対応・子育て支援が重要な課題になっている。
岸田総理は「仕事か子育てかの二者択一を迫られることなく、男女ともに仕事と子育てを両立できる社会づくりに向けた取り組みを進める」としている。(編集担当:森高龍二)