「霊感商法」で問題となった旧統一教会が「世界平和統一家庭連合」に名称変更した際、文部科学大臣だった下村博文衆院議員が関与したかどうかで、下村氏は「文化庁に確認した。大臣に伺いを立てることはしていないということだった」と関与を否定。
しかし、有田芳生参院議員(任期は7月25日まで)の当時の政策担当秘書が有田氏の指示で、2015年9月30日に文化庁に確認したところでは「本件については大臣に事前に説明いたしました。『周辺情報』という意味で、大臣にお話しはしました」と回答していた。
さらに日本共産党の宮本徹衆院議員がこの件で今月、改めて文化庁に確認したところ「当時の担当者が、統一教会の名称変更について、下村大臣に事前に説明したということは間違いない、ということです」と7月22日、ツイッターで結果を発信した。
下村氏は7月11日、自身の関与について、文書で「文化庁に確認したところ、通常、名称変更については書類が揃い、内容の確認ができていれば事務的に承認を出す仕組みであり、大臣に伺いを立てることはしていない、今回の事例も最終決裁は当時の文化部長で、通常通りの手続きをしていた、とのことだった」と関与を否定していた。
最終決裁は「文化部長」になっているが、霊感商法で問題になり、裁判でも有罪判決が出るなどしていた経緯から、名称変更の申請を受けていることを下村大臣(当時)に説明したとみられ、何らかの発言を受けて、変更認証になったのではないかと推察される。
当時の担当者が「周辺情報」として、どのような説明をしたのか、下村氏がどう答えたのか、やり取りの実態が焦点になりそう。統一教会は2015年6月2日に名称変更申請を提出、8月26日に認証された。
旧統一教会を巡っては全国霊感商法対策弁護士連絡会によると1987年から2021年までの間に3万件を超える被害、額にして約1200億円としている。旧統一教会と政治家との関係を含め、名称変更認証の経緯で下村氏が関与していなかったか、実態解明が求められている。(編集担当:森高龍二)