9月は防災月間。もしもの時に頼れるのは、住宅展示場のモデルルーム?

2022年09月10日 10:13

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シーキューブ 八尾スタジオ兼モデルハウス」を「災害支援施設」として開放する予定を発表

 9月は防災月間。今年も全国各地で啓発イベントが催されたり、自治体や企業、団体などから防災の取組みが発表されたりと、多様で活発な啓蒙活動が展開されている。

 そもそも、9月1日が「防災の日」に制定されたのは、1927年の9月1日に関東大震災が起こったこと、そして9月は台風などの自然災害も多いことからだという。年に一度くらいは、家庭や職場、地域の防災を見直し、知識を深めて、もしものときに後悔しないよう備えておきたいものだ。

 とくに近年は地球温暖化の影響もあり、日本でも大雨災害などが激増している。毎年のように、どこかの町で大きな冠水被害などが報告され、ニュースで流れることも多いが、自分の身近なところでも起こりうる可能性があることを忘れてはいけない。平時はどうしても疎かになってしまうものだが、避難グッズや非常用電源などの災害に対する備えを確認したり、それらの非常用アイテムを使いこなせるようにしておいたりすることが、もしものときに自分や家族、大切な人たちの命を守ることを、この9月に思い出してほしい。

 また、期限切れの近い非常食などを上手に入れ替える「ローリングストック」のタイミングを、この9月に設定している家庭も多いようだ。

 国や自治体が行っている災害支援や、ハザードマップについても、この時期に夫婦や家族間で確認しておくのもいいだろう。例えば、政府は災害によって住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して、最大300万円の支援金を支給してくれる「被災者生活再建支援制度」を設けている。
 
 被災した後の事ではあるものの、こういう制度の一つ一つを知っているのと知らないのとでは、もしも被災してしまった時の精神状態も大きく変わってくるだろう。

 ハザードマップをスマートフォンにダウンロードしておくのも、今すぐ手軽にできる防災行動の一つだ。国土交通省が公開している「ハザードマップポータルサイト 」というホームページにアクセスすれば、全国の自治体が公開しているハザードマップへアクセスできるので、自宅や職場、学校周辺のハザードマップを確認できるのでとても便利だ。ダウンロードしておけば、もしもの時にネット回線が不通になっても使えるので、迅速な判断や、避難行動の大きな助けになるはずだ。

 近年は、災害時には住宅展示場のモデルルームを避難支援施設として提供する、防災意識の高い住宅企業も増え始めている。例えば、昨年9月に住宅メーカーのウィズホームが福岡県宗像市にオープンした「ウィズホーム宗像店」 は、大容量の太陽光発電と蓄電池、井戸水の供給も可能な45坪の平屋モデルルームを、災害発生時には防災拠点として利用できるように宗像市と「災害連携協定」を結んでいる。ロフトスペースには備蓄品のトイレットペーパーや水、非常食を約100人分確保しているというから心強い。

 また、このような災害時に支援施設となる住宅展示場を、他社に先駆けて2019年に日本で初めて埼玉県久喜市にオープンしたのは、木造注文住宅メーカーのアキュラホームだが、同社が主宰するホームビルダー集団「SABM」にも参加している、大阪府八尾市の株式会社シーキューブも、9月11日にオープンする「シーキューブ 八尾スタジオ兼モデルハウス」を「災害支援施設」として開放する予定を発表している。災害時の電力の提供や災害備品の提供だけでなく、ウイルス対策が施された「小区画避難スペース」も完備し、高齢者や乳幼児またペット連れのご家庭の避難所として利用できる。

 こういう取り組みを進めている住宅業者は、まだまだ限られているが、同様の施設が増えれば、地域住民にとっては心強い場所となるだろう。実際に使われることが無いのが一番だが、地域住民の安全や安心まで考えている良心的な住宅業者の輪がもっと広がって欲しいものだ。(編集担当:藤原伊織)