岸田文雄総理は29日記者会見し、安倍晋三元総理の国葬儀の事後検証について「今後の議論に資するためにも記録を残しておくことは重要」とし「今回の国葬儀の実施について検証を行う」と述べた。
検証に向けて、岸田総理は「幅広い有識者の方々から意見を伺い、国葬儀について論点と意見を整理するところから始める」とし「早急に整理を示せるよう作業を進める。その上で、国民のより幅広い理解を得て、国葬儀を執り行うにはどうしたらよいか、適切な金額や規模など、今後の国葬儀の在り方について国民各層の議論を踏まえて、幅広い御理解をいただいていくことができるよう検討していきたい」とした。
今回の安倍氏の国葬儀には16億6000万円もの巨額費用が全額国費で賄われている。一方で、海外からの来賓を含めて4183人の参加と予定の6割にとどまり、弔問外交も一つの狙いにしたとしながらも、世界をリードするG7からの首脳出席はゼロ。参加者の記帳人数は歴代9位と世論調査で過半数以上が「国葬反対」の中、強行された割には成果に疑問符がついている。
またミャンマー軍事政権下での駐日ミャンマー大使を国葬儀に参列させたことで「軍事政権を是認したことになる」と岸田総理判断に批判がでている。
岸田総理は「国民の皆様から様々な御意見、御批判を頂いたことは真摯に受け止め、今後にいかしていきたいと考えております。これから年末にかけ、臨時国会、予算編成などが続きます。改めて気持ちを引き締め、山積する我が国の課題に対応するため、各種政策を進めてまいります」と語った。
また国葬儀に要した多額の費用に関しての説明について、岸田総理は「式典自体の経費のほか、実施に伴い必要となる接遇費あるいは警備費、こうしたものについても既定予算で対応する中で、一定の仮定を置いた上で見込みの額を事前にお示ししてきた。国葬儀が終了したことから、実際に要した経費の速報値について速やかに取りまとめてお示ししたい。その後も、所要の手続等が終了した時点で、概数値とか確定値について明らかにしていきたい」と透明性を持って国民に公表していく考えを示した。(編集担当:森高龍二)