三権の長の重み考え、自ら判断されること 総理

2022年10月02日 10:34

 岸田文雄総理は29日の記者会見で、細田博之衆議院議長が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関りについて会合に出席しあいさつしたなどを認める文書を出したことについて「三権の長の重みということを考えて、関係者はそれぞれの対応を考えるべきものではないかと思っている」と述べた。

 岸田総理は「細田議長は自民党会派を離れているため党の点検対象になっていないということ。これは三権の長たる議長に対して、こうした事案に対する対応は自らが判断されることであると思う。これは立法府として、これについて判断されるものと考える」とした。

 細田議長は世界平和統一家庭連合と政治との関りが社会問題になっている中でも、これまでダンマリを決め込んできた。野党の追及の声が強くなる中で、29日、表面上の関りについては認める文書を発表した。

 文書では「2019年10月の国際会議に招待があり出席、あいさつした。18年10月の国際勝共連合の記念大会も同様。19年には3月に出席記録があった、6月には関係団体の出版物に掲載するため、憲法改正問題に関するインタビュー記事の取材を受けた」と頻繁なかかわりを認めた。

 しかし出席した挨拶の中で「安倍晋三総理にもご報告する」などの発言もしており、挨拶の中身に関することには何の説明もない文書だった。

 また「今後、社会的に問題があると指摘される団体とは関係を持たないよう、適切に対応してまいりたい。令和4年9月29日、衆議院議員、細田博之」としているが、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)やその関連団体」との文言が記されず「社会的に問題があると指摘される団体」と表現し、一般論にすり替えて「かかわりを持たない」と結んでいる。

 団体会合での「挨拶」の内容に対する説明や、関りを持たないとする団体に「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)やその関連団体が含まれているのか」。衆議院議長として、記者会見や国会の場で正確にその説明と表明をすることが求められている。今回の文書は全く説明になっていないものだった。議長を降りるべきとの声も出ている。(編集担当:森高龍二)