岸田文雄総理は27日までに開いたGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で「次回のGX会議で成長志向型カーボンプライシングの具体的制度案を提示してもらいたい」と指示した。
岸田総理は「成長志向型カーボンプライシング」について「炭素に対する賦課金と排出量取引市場の双方を組み合わせるハイブリッド型とするなど、効果的な仕組みを検討するとともに、排出量取引市場では炭素価格の過大な変動を起こさせず、安定化させる公的機能を組み込むこと」など4点を条件に挙げた。
このほかの条件は(1)エネルギーに係る公的負担の総額が中長期的にも増えないよう、炭素に対する賦課金と排出量取引市場に係る負担を将来的に関連税制などが減少していく範囲内にとどめることを明確に示すことで、企業の予見可能性を高め、産業企業活動の混乱を回避し、民間による大胆な投資を引き出すこと。
(2)民間のみではリスク投資が困難な場合において、新たな規制制度による市場づくりとGX経済移行債を活用した投資支援策を併せて講ずることにより、どの分野でどのくらいの投資促進が期待されるのか、今後10年の見通しを示すこと。
(3)国内の脱炭素投資やエネルギー関連技術を実装する先導プロジェクトを最大限前倒しし、これらをアジアの膨大な脱炭素事業に連結することで『成長も、環境も』の二兎を追っていくものとすること、とした。(編集担当:森高龍二)