政府は東電福島第一原発事故を受けて原発の運転期間を「原則40年」「最長60年」としているルールを原子炉等規制法から削除する方針に傾いている。
GX(グリーントランスフォーメーション=CO2排出量削減と産業競争力向上)を御旗に原発の利用促進に大きく方針転換し、経団連や電事連の要求のままに、安全性最優先の中で決めた「時限的外堀」の規制さえ埋める暴挙に出ようとしている。
山中伸介原子力規制委員長は5日の記者会見で「原発の運転期間に関する条文が削除された場合、高経年化した原子炉の安全確認に関する定めについての規定がきちっと果たせないことになる」と強い懸念を示した。
そのうえで「削除する場合は、安全確認に関して法整備を含めて事務方に検討をお願いした。厳正な規制に障がいが出ることの無いよう、きちっと案をまとめるようお願いした」と語った。
岸田政権は経団連や電事連の求めるままに原発政策を「経済効率」優先に傾斜している。規制委員長は「規制に対しての法の仕組みと規制に関しての取組みを同時に規制委員会で検討する必要がある」と述べた。(編集担当:森高龍二)