立憲民主党の玄葉光一郎ネクスト外務・安全保障大臣は「敵基地攻撃能力(反撃能力)」に関して、22日までの記者会見で「自民・公明の合意に基づく政府の『反撃能力』には賛同できない」と述べた。
玄葉氏は「他国領域内への打撃力については必要性、合理性、専守防衛に適合するかについて、政府から詳細な説明を聞いた上で、国会のなかで、われわれが政府を質していかなければならない。詳細な説明を受ける前に主要野党が賛成したら、健全な議論になるのか、賛成・反対がある中、同じ土俵で地に足をつけて議論をリードしていくのが野党第1党の大切な役割だ」と述べた。
一方、長妻昭政調会長は「防衛費倍増は雑な積み上げで、NATOと比較しても急激すぎる」とし、中身について精査しながら議論していく必要性を述べた。
泉健太代表は反撃能力保有を含む「政府の安全保障関連3文書」に関して「国会議論も、国民的合意もないままに、政府が反撃能力の保有、防衛費GDP比2%を記載したことは大きな問題で、立憲民主党は容認できない」と表明。
特に反撃能力に関しては(1)政府見解では「我が国に対する攻撃の着手」があれば、先制攻撃にあたらないとされているが、正確な着手判断は現実的に困難で、先制攻撃とみなされるリスクが大きい。(2)いわゆる存立危機事態において、我が国による相手国領域内への攻撃を否定していない。
(3)「反撃能力の行使は専守防衛の枠内」と述べているが、その態様が日米同盟の盾と矛の関係を変えるものであるならば、それは専守防衛を逸脱する可能性がある。我が国は、日米同盟の基本的役割分担を維持し、自衛隊の装備体系および運用は「必要最小限度」でなければならない、と指摘し、「政府3文書に書かれている反撃能力には賛同できない」と明確に述べたうえで、来年の通常国会でこうした点について政府を質していく考えだ。(編集担当:森高龍二)