労働環境と戦略産業で強固な官民連携図る 総理

2023年01月06日 06:47

 岸田文雄総理は4日の記者会見でインフレ率を超える賃上げの実現を経済界に求めるとともに「政府としても最低賃金の引上げ、公的セクターで働く労働者や政府調達に参加する企業の労働者の賃金について、インフレ率を超える賃上げが確保されることを目指す」と述べた。

 また賃上げを持続可能なものにするためとして「6月までに労働移動円滑化のための指針を取りまとめ、働く人の立場に立って、三位一体の労働市場改革を加速する」とした。合わせて「女性の積極登用、男女間賃金格差の是正、非正規の正規化なども経済界と共に進めていく」と述べ、女性の正規雇用におけるL字カーブや女性の就労を阻害する「いわゆる103万円」「130万円」の壁などの是正にも取組んでいく、と所得向上へ働く環境づくりに努める姿勢を強調した。

 また国内での研究開発投資や設備投資による日本企業の競争力強化が重要だとして「国内でつくれるものは国内でつくり、輸出する。研究開発投資、設備投資を活性化し、付加価値の高い製品サービスを生み出す、日本の高度成長を支えたこうした原点に立ち返るときだ」と語った。

 そのため「国が複数年の計画を示し、予算のコミットを行い、企業に対して期待成長率をはっきりと示すことで企業の投資を誘引していく、そうした官民連携が不可欠。官民合わせて150兆円のGX投資を引き出す成長志向型カーボンプライシングによる20兆円の先行投資の枠組みは先行事例の一つ」と述べた。

 岸田総理は「今後、半導体、人工知能、量子コンピューター、バイオ技術、クリーンエネルギーなど、次世代の経済を支える戦略産業について強固な官民連携を打ち立て、国内で大胆に投資を進めていく」と発信した。また「日本をスタートアップのハブとするため、世界のトップ大学の誘致と参画による『グローバルキャンパス構想』を本年、具体化していく」と語った。(編集担当:森高龍二)