コロナ禍以前はスリムだったんだ! 機能性表示食品の上手な活用法

2023年02月12日 10:25

画・機能性表示・トクホ食品市場大きく拡大するも競争激化、需要流出で減速傾向。

何もかもがコロナ禍以前に戻れる訳ではない。代表的な問題となるのが、「体重問題」だ

 新型コロナウイルスの登場により、我が国で初めて「緊急事態宣言」が発出されてから、丸3年が経とうとしている。ワクチンの接種や感染経路などの分析、ウイルス自体の変異も進み、ようやく今年の春頃には、感染法上の位置付けを、2類相当から5類に移行する方針が決定した。手放しで喜びたいところだが、何もかもがコロナ禍以前に戻れる訳ではない。代表的な問題となるのが、「体重問題」だ。

 製薬会社のノバルティス ファーマが、全国47都道府県の20~75歳の男女9,400人を対象に、「肥満」に関する意識実態調査を実施した。その結果、新型コロナの流行前に比べて、体重が増えたという人は38%に上ることが分かった。テレワークの増加や運動・外出の自粛など、家にいる時間が増えたことが原因と考えられる。肥満は、新型コロナの重症化リスクとしても注目されているが、2型糖尿病や心血管疾患など、多くの疾患のリスク要因でもあり、予防と対策が重要となる。

 コロナ禍で増えた体重を元に戻す為、無理なダイエットを行ってしまうと、免疫能力の低下を招いてしまう。そんなジレンマを抱える方々が、最近注目しているのが、機能性表示食品だ。事業者から安全性の確保と科学的根拠(エビデンス)を前提に消費者庁に届け出し、事業者の責任のもと、その科学的根拠に基づいた機能性が表示される食品のことだ。体脂肪や中性脂肪に加えて、目や記憶力など、ピンポイントで機能を表示できるということもあり、届出数は年々増加傾向にある。コロナ太りした体重を健康的に落とす為に、機能性表示食品を活用する方も増加傾向だ。

 お菓子メーカーの森永製菓株式会社が展開する「inゼリー」ブランドに、「inゼリークリア」という、ブランド初の機能性表示食品が発売された。「ゆずレモン味」には、レモン由来のモノグルコシルヘスペリジンを配合。コロナ禍によるテレワークで気になる脚のむくみの軽減が期待できる。「パッションフルーツ味」では、パッションフルーツ種子由来のピセアタンノールを配合されており、脂肪の消費や肌のうるおいが期待できる。いずれもコロナ禍に対応した新商品と言えるだろう。

 機能性表示食品の開発支援をしている、一般社団法人機能性表示食品検定協会が届出支援をした、花粉症対策の機能性表示食品「延寿花 ケルセフィット」も、コロナ禍の健康維持の観点から注目を集めている。機能性関与成分であるケルセチンは、天然に存在するポリフェノールであり、強力な抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調節作用および抗ウイルス作用を持っている。近年では高い老化細胞を除去する成分であることも分かってきており、がん難病の最先端治療を研究する医師の学会「日本先制臨床医学会」の推奨商品として認定されたことも記憶に新しい。

 国内大手ミツバチ産品メーカーである山田養蜂場では、1つで3つの機能性を有する日本初の機能性表示食品「燃やしてスリム」を発売した。同商品は以前、顧客からの声によって、運動中の脂肪燃焼をサポートする商品として発売されていたが、今回はその機能に加え、血流をサポートして冷え性の軽減、脚のむくみを軽減するという2つの機能を追加し、大幅にパワーアップして発売された新商品だ。インドの伝承素材「ガルシニア」に含まれるヒドロキシクエン酸と、沖縄では島コショウとして親しまれる「ヒハツ」の成分ピペリン類、共に植物由来の機能性関与成分とする、日本初の商品として期待が高まっている。

 習慣というものは恐ろしいもので、一度習慣化したものを改めるというのは至難の業だ。ましてや3年間も続けてきた習慣であれば尚更だ。もちろん、機能性表示食品を利用すれば、必ず体重が落ちるというものではない。食事はもちろん、生活習慣の見直しをすることも必要だろう。そして、今春にコロナが全くなくなる訳ではないので、免疫力を維持することも大切だ。免疫力を落とさずに体重を落としてくれる、この手助けに、機能性表示食品に注目してみてはいかがだろうか。(編集担当:今井慎太郎)