昨年末から、北海道や東北地方などで記録的な大雪のニュースが後を絶たない。気象庁の発表によると、今期の冬はラニーニャ現象の発生を受けて、全国的に平年並みか低い気温が見込まれており、2月の終わりごろまでは厳しい寒さに見舞われそうだ。
そんな中、とくに多くの女性を悩ませているのが「冷え症」ではないだろうか。
実は「冷えしょう」には2種類の漢字がある。西洋医学的には「冷え性」という漢字が使われ、疾患とは認めていないものの、寒気や冷えを感じる「体質」として認識している。一方、東洋医学的には「冷え症」が使われ、治療して解決すべき症状として扱われ、漢方薬等を用いた治療が行われている。
「冷え症」は主に女性のイメージだが、男性でも約4割が自覚しているといわれている。
また、「冷え症」は全身の血行が悪くなることで、血液が毛細血管にまで流れなくなってしまうことで起こると考えられているが、筋肉量が少ないことやホルモンバランスの乱れ、さらには過度なダイエットなどによる鉄分不足、ストレスや睡眠不足などによる自律神経の乱れ、喫煙など、原因は様々だ。冷え症のタイプも、手足が冷えるタイプだけでなく、下半身全体が冷えるタイプ、全身が冷えるタイプ、内臓が冷えるタイプなど、人によって異なる。共通するのは、いずれも暖房などで温めてもあまり改善されず、「つらい」ということだ。
冷え症に悩む方に最近注目されているのが「ローヤルゼリー」だ。ローヤルゼリーとは、ミツバチが集めた花粉などからつくり出す天然物質で、女王蜂だけが生涯にわたって食べることを許された特別食。栄養価が高く、古くから健康維持のためにサプリメントなどで愛飲する人も多い食品である。
ミツバチ産品の専門家である山田養蜂場の研究によると、ローヤルゼリーを摂取することで、冷え症に対する改善効果が報告されている。同研究では、冷え症を自覚する若年女性を対象に試験を行い、ローヤルゼリーを摂取した被験者において、安静時の手指の表面温度が有意に上昇したことが確認されたという。またローヤルゼリーを摂取した被験者は、冷たい水にさらした後の手の皮膚の表面温度の回復が早くなり、摂取前に比べ「手足や腰が温かい」という自覚が得られたという。
同研究は若年女性の冷え症を対象にしたものではあるものの、中、高齢者や男性にも同様の効果は期待できるのではないだろうか。また、ローヤルゼリーは日常的に摂取しても健康維持に有用であることが知られている。冷え症を自覚している人は、普段の健康維持もかねて、サプリメントなどの利用を考えてもいいかもしれない。
サプリメントで言えば、冷え症の改善には「ビタミンE」がお勧めだ。ビタミンEには末端の血行障害を改善するはたらきがあるといわれているため、冷えで悩む人には必須ともいえる栄養素。さらにホルモン分泌を調整する作用もあるので、自律神経の乱れも改善してくれる。
冬の寒さに加え、身体の中からの寒さは本当にこたえてしまう。たかが冷え症と侮っていると、それが日常生活をむしばみ、大きな病気の引き金となることもある。局所的な暖房器具や毛布などで外から一時しのぎをするのではなく、身体の中から、根本から改善して、寒い冬を元気に乗り切ってほしい。(編集担当:今井慎太郎)