岸田文雄総理は9日開かれた衆院財務金融委員会で日本維新の会の吉住寛紀議員から「防衛費や異次元の少子化対策で国民により負担を求めるのであれば国民に信を問う必要があるのではないか」と質され「何について、どのタイミングで国民の信を問うべきなのか、時の内閣総理大臣の専権事項として、適切に判断すべきものであると考えている」と答弁。
これまでの「今は解散総選挙については考えていない」としてきた答弁から変わってきた。G7広島サミット終了以降、6月解散に含みを持たせるような答弁になった。
岸田総理は吉住氏の質問に「我々は今、先送りできない多くの課題に直面している。防衛力の抜本的強化、子ども子育て政策、GXをはじめとするエネルギー政策、賃上げをはじめとする経済政策、重要課題が山積している」と述べた。
そのうえで「国民の信を問うというご質問だが、こうした課題に次々挑戦していかなければならない。その中で、何について、どのタイミングで、国民の信を問うべきなのか、時の内閣総理大臣の専権事項として適切に判断すべきものであると考えている」とこれまでのニュアンスとは変わった。
また吉住氏が「我々は防衛費の増額に反対するものではないが、歳出改革も徹底的にせず、議員の身を切る改革もせず、安易に増税で国民に負担を求める考え方に異を唱えている。共同通信の調査では財源に増税『支持しない』が80%だった」ことも取り上げ、総理の説明不足や民主主義の危機との声があることを紹介して、総理の考えを質した。
岸田総理は「国民の命や暮らしを守るために必要な防衛力の抜本的な強化を決断した。財源確保策について国民から様々な意見があり、謙虚に受け止めなければならないが、国民の命や暮らしを守るために政治の責任を果たすために必要。理解を得るために説明を尽くしていかなければならないと考えている」と強調した。
また「財源を考える際に国民の負担をできるだけ抑える。行財政改革はじめ、あらゆる工夫を最大限行うことは大前提。それでも足りない分は我々の責任として、令和9年度に向けて税制措置の協力、将来の世代に対する今を生きる我々の責任として税制措置での協力をお願いしている」と答えた。(編集担当:森高龍二)