SDGsの認知率は2022年の82%からほぼ横ばいの83%という結果。17の目標の中で興味・関心があるものについて調べると、女性は全ての世代において何らかの目標に興味が見られるが、男性の40代と50代はいずれの目標に関しても興味・関心が低いという結果に
2015年9月の国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が採択されて8年、2023年は目標達成に設定された2030年までのちょうど中間時期となる。
そこで2023年6月に株式会社クロス・マーケティングが全国18~69歳の男女2,500名を対象として、SDGsの浸透状況や認知率の推移、17の目標への関心についてなどを調べる「SDGsに関する調査(2023年)」をし、人々の認知や意識、消費行動について分析を行った。
まず、SDGsについて「名称も内容も知っている」、「名称は聞いたことがある」という人の確率、SDGsの認知率は83%。82%だった22022年からほぼ横ばいで伸びが鈍化しているという結果となった。性年代別の推移でみても、2022年より高まったのは18~29歳の女性と60代の女性のみにとどまっている。
SDGsの17の目標の中で興味・関心があるものについては、どんな年代の人が関心を持っているかをコレスポンデンス分析という手法で解析した。
それによると女性の18~29歳と30代は「5.ジェンダー平等を実現しよう」、女性の40代、50代、60代は「11.住み続けられるまちづくりを」や「14.海の豊かさを守ろう」、「15.陸の豊かさも守ろう」など幅広い項目に興味・関心が高い。
対して男性では60代が「16.平和と公正をすべての人に」、30代では「4.質の高い教育をみんなに」、18~29歳では「働きがいも経済成長も」という目標に興味・関心が高いとみられる結果となっている。
一方で男性の40代と50代は、SDGsの17の目標のいずれからも遠い位置で、興味・関心がないことが如実に表れた。
また、17の目標の中でも「5.ジェンダー平等を実現しよう」という目標について、日常で見聞きしていることや身近なところで話題になっている出来事を自由回答で聴取したところ、女性が少なからず直面する「男女間格差(キャリア、賃金)」、「多様性・ダイバーシティ」をはじめ、「LGBT/LGBTQ」、「性的マイノリティ」、「ジェンダーレス」、「ジェンダーレストイレ」など様々な出来事や名称が挙げられた。
他方で、「ジェンダー平等自体には賛成するが、女性専用トイレが減るのは困る」という意見も複数上がったという。
SDGs達成に向け、様々な課題解決のため更なる努力が必要となる時期に入ってゆく現在、興味・関心が低い人々へのアプローチや課題解決への具体策が求められそうな結果となった。(編集担当:久保田雄城)