岸田文雄総理は16日開いた性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議、こどもの性的搾取等に係る対策に関する関係府省連絡会議で「教育・保育業界の性被害防止の取組みを促すため、先進事例の周知や業界のガイドライン(指針)の作成支援、保育所などでの性犯罪防止対策のため、プライバシー保護のパーテーションやカメラ等の設置支援など緊急的に対応すべきものを経済対策に盛り込んで速やかに実行するように」と指示した。
岸田総理は「子どもをとり巻く安全・安心が脅かされている」とし「政府として対応を急ぐ必要がある。関係府省においては今般の経済対策に盛り込む各種の子どもの性被害防止やいじめ・不登校対策を始め、子どもの安全・安心確保に万全を期してほしい」と求めた。
今年7月4日の会合で、島根大学の河野美江副学長は「こども・若年層の性被害」について報告し(1)未就学児童~小学生では加害者が「親、兄弟などが28.8%、通っていた学校や地域活動などの関係者が53.8%と身近な大人からの被害が多い」と指摘された。
また「未就学時に被害を受けた被害者は現在も半数強が『回復していない』と答え、予後が悪い」と深刻さも提起した。
16歳~24歳での性被害では「性交を伴う性暴力加害者が学校・大学の関係者(教職員、先輩、同級生、クラブ活動の指導者など)、(元)交際相手、SNSなどインターネット上で知り合った人が多い」と指摘。
加えて「性交を伴う性暴力被害では、どこにも相談しなかったケースが半数を超え、被害からの回復状況が最も悪い」とし「SNS、インターネットなど情報ツールを用いた被害は中学生、高校生に多い」と警鐘を鳴らしている。(編集担当:森高龍二)