日本共産党の志位和夫委員長はケニア訪問中のイギリス・チャールズ国王が大英帝国時代の不当行為に対する反省の弁とともに「反省することで過去は変えられないが歴史に正直かつオープンに向き合えば今日の友情の強さを示せるかもしれない」との発言を伝えるBBCの報道に「日本もこの態度を見習うべき」とXで発信した。
国内にある「歴史修正主義」の動きを踏まえたものとみられる。チャールズ国王はケニアで「過去の不当な行いが大きな悲しみと深い後悔の原因です。皆さんが国連でおっしゃった『独立と主権のための苦闘』の中でケニア人に対する忌まわしく不当な暴力行為がありました。これについては、どんな言い訳もありません」と大英帝国時代の不当行為を認め、後悔していると明言した。
そのうえでチャールズ国王は「私にとって非常に大事なのは、このような過ちに対する理解を深め、生活やコミュニティーに深刻な影響を受けた人々に会うことです」と述べるともに「歴史に正直かつオープンに向き合えば、もしかしたら今日の友情の強さを示せるかもしれません。そうすることで今後もさらに深い絆を築き続けられればと願っています」と過去の過ちを踏まえた、未来に向けての両国関係の友情構築への思いの伝わる内容になっていた。
日本には一部で第2次世界大戦での南京大虐殺など侵略、戦争犯罪に関し、アジア開放の戦争だった、従軍慰安婦は存在せず、自発的なものだったとする歴史修正への動きが強い。安倍晋三元総理は国会答弁で自身の口から第2次世界大戦に関する国会議論で「侵略」の言葉は一度も発しなかった。また戦後70年の総理談話(2015年8月14日)で当時の安倍総理は「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べ、先の大戦に対する認識の一端をうかがわせた。(編集担当:森高龍二)