上川陽子外務大臣は8日、G7外相会談後の記者会見でイスラエル・パレスチナ問題について「ガザ地区の人道状況の改善が目下の最優先課題」とし「一般市民、とりわけ未来ある子どもたち、女性・高齢者が被害に遭っていることに大変心を痛めております。まずは同地区の一般市民に必要な支援が行き届くよう、人道的休止、人道目的の戦闘休止、人道支援活動が可能な環境の確保を求めて様々な外交努力を重ねているところです」と記者団に答えた。
また「G7としてハマス等のテロ攻撃を断固として非難した上で、ガザにおける人道危機に対処する必要性、特に人道支援やそのための人道的休止や人道回廊の重要性等を確認した」と述べた。
また今回の共同声明で(1)ガザの持続可能な長期的解決に取組むこと(2)2国家解決が公正で永続的な平和への唯一の道であるということを確認したとし「日本はイスラエル・パレスチナ双方と友好関係を築いてまいりました。中東各国に対して話ができるという日本の立場を利用して短期的には事態の沈静化、中長期的には『2国家解決』の実現に向けてイスラエル・パレスチナ双方を含む関係各国に対し働きかけを続けてまいりたい。さらにG7を含む関係国や関係機関との間で連携を深め、外交努力を積み重ねていきたい」と強調した。
またロシアによるウクライナへの侵略問題について「G7として1日も早くロシアの侵略を止めることが引き続き優先課題であり、外交、人道、財政、安全保障面を含め、あらゆる面で必要な限りウクライナを支援していく」と述べた。
このほか東電福島第一原発事故により日々発生している放射性物質による汚染水のALPS処理水海洋放出問題に関して、上川大臣は「G7各国から我が国の安全で高い透明性を持ち、科学的根拠に基づく取組みを改めて歓迎いただくとともに、海洋放出開始以降のモニタリング結果でもその安全性が示されていることを確認いただいた」と語った。(編集担当:森高龍二)