政府は22日、北朝鮮が21日午後10時43分頃、北朝鮮北西部沿岸地域の東倉里 (トンチャンリ)地区から衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射を強行したと発表した。軍事偵察衛星とみられる。
それによると1発は複数に分離し、1つ目は発射から約7分後に朝鮮半島の西約350kmの東シナ海上の予告落下区域外に落下、2つ目は発射から12分後ころ、沖縄本島と宮古島との間の上空を通過し、午後10時57分頃、沖ノ鳥島の南西約1200kmの太平洋上、我が国EEZ外である予告落下区域内に落下したものと推定される」としている。
そのうえで「これ以上の詳細については現在分析中で、現時点では地球周回軌道への衛星の投入は確認されていません」としている。
政府は「これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすもの。特に、今般北朝鮮が行った日本列島上空を通過する形での発射は航空機や船舶はもとより、付近の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為」と非難。
「発射が衛星打ち上げを目的としたものであっても北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁止としている、関連する国連安保理決議に違反するものであり、国民の安全に関わる重大な問題。我が国としては北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い表現で非難した」としている。
北朝鮮は今年5月31日、8月24日にそれぞれ打ち上げに挑戦、いずれも失敗に終わっている。「軍事偵察衛星」の打ち上げは3回目の挑戦。詳細な分析結果の発表が待たれている。(編集担当:森高龍二)