安倍晋三総理が日銀総裁にアジア開発銀行総裁の黒田東彦氏を充てたいとしていることに対し、自公は賛成、野党は衆参での聴聞の結果を踏まえて国会で同意するかどうか判断するとの姿勢を示した。NHKの各党幹事長らが参加した討論番組の中で、各党幹事長らが姿勢を語った。
野党の中でも特に同意に難色を示しているみんなの党の江田憲司幹事長は「橋本(龍太郎)政権時代に、財政と金融の分離というものを総理が議長となって行革会議で1年議論した。そこで、日銀の独立性の観点からも、財政と金融の利益相反の関係からも財務省の方が日銀の総裁ポストに座るのはよくないとの結論になった」と日銀の独立性の観点から特に懸念する部分を提起した。
ただ、江田幹事長も「(聴聞時間を十分確保してもらったうえで、黒田氏から、国会の財務金融委員会で)考えを十分に聞きたい」と、真っ向反対ではないことをうかがわせた。
自民党の石破茂幹事長は「日銀総裁の空白をつくってはいけない。また総裁がどこの出身かというより、どういう見識を持っているか、日銀の独立性をきちんと維持しつつも、政府と協調できるか。ともに責任を負えるかということが大事なので、きちんと(黒田氏から)意見を聞いて頂いて、(野党のみなさんに)賢明な判断をお願いしたい」と協力を求めた。民主党の細野豪志幹事長の国益からの懸念に対して、アジア開発銀行への対応について「きちんと対応したい」と語った。
公明党の井上義久幹事長は「デフレ脱却、経済成長に向けた政策を政府と共有している。日銀組織をマネジメントする能力がある。海外への発信力もある」などをあげ「黒田氏は適任だと考えている」とし「(現在の)日銀総裁の任期が3月19日なので、これが遅れるようなことがあっては大きな影響がでるので、是非、スムーズな承認をお願いしたい」と語った。
安倍総理は副総裁には学習院大学教授の岩田規久男氏と日銀理事の中曽宏氏を充てたい意向を示している。(編集担当:森高龍二)